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生類憐みの令の秘密
 ごめんなさい。
 柄にもなくタグ「歴史」が続いており、前々回の「幕末にやってきた外国人」から岡崎豊教授の講演録を紹介しています。

 いつも獣医とは全く関係ない話を続けるため、叱られそうなので幕末の犬の話をしようと思います。
 幕末にやって来た外国人たちは「江戸の町には、犬がはびこっている」と書き残しています。

 「コンスタンティノープルのみじめで汚らしい野良犬やインドの宿なし犬の類ではない。つやつやして、よく肥えたずうずうしい獣で、主人はいないが、部落に育てられているくせに部落に反抗している。耳と尾を立てて傲然と走って行く」
 「横町で出会うと実に恐ろしい。彼らには、極めて古い伝統『生類憐みの令』
のことがまつわっていて、殺せばきわめて重い罪になる」
 ・・・なんて記載されているのです。

 結構大事にされていたようですね!
 ちょっと古いのですが2012-10-30「徳川綱吉の秘密」を読んでいただくと「生類憐みの令」がなぜ作られたのか? 従来言われているように、本当に悪法だったのかが書かれています。
 
 元ネタは井沢元彦先生の著作「誤解の日本史」でして、ぜひお読みください。
 江戸時代前期、五代将軍綱吉の時代、武士たちはまだ戦国時代の意識に縛られたままです。
 それを先生は「ゴルゴ13」だらけだと表現します。
 (高校時代に先生から日本史を習っていたら、もうちょっとましな成績だったと思います)
 そんな殺し屋の意識を改革するには『劇薬』が必要で、それが『生類憐みの令』だったそうです。
 「俺の背後に立つな!」と言う武士だらけの国が徳川家の支配によって、戦いのない平和な世界になったのです。命を大切にする強烈な決まりごとが必要だったのですね。

 その影響が幕末まで残っていたわけです。

 村の人たちから食べ物をもらっているくせに、村の人たちをビビらせていたようで、しつけや管理しようとしないところが西洋人との違いで、、、
 現在でも「自然のままが良い」とのことで欧米に比べて避妊去勢手術をされていない子が多く、まだまだ影響は続いていると言えます。

 よく飼い主さんに言うのですが、、、
 「欧米の人は犬を子供とみなして管理育てようとするが、日本人は自分と肩を並べている存在と見ている。だから自分にされるのは嫌な避妊去勢手術はしない人が多い」

 綱吉さんのせいやったんですか?

PS:2018-11-09「狆育様療治(ちんそだてようりょうじ)の秘密」では、犬を食べていた日本人が、江戸時代にはあの悪法のおかげで狆の飼育大ブームが訪れたことを記載しています。
  • (2020-05-23 09:23:01)