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エピローグの秘密
 2020-07-14「交野市の秘密」(な、な、なんと22回も前)から続く僕の空想物語も、ようやく終わってほっとしている皆さん。
 申し訳ございません。まだエピローグが残っています。

交番.jpg 翌朝のすだこばし交番です。
 (写真はイメージです)

 昨日とはうってかわって空は快晴、雲一つありません。 
 驚異的な失恋で、おそらく泣き明かしたであろうスダコの瞼ははれ上がっています。

 おや、あいあい橋の真ん中で花束を持った鮎ちゃんが合掌しています。
 今日は一人っきりです。
 交番に向かって歩き始めました。
 神妙な顔つきで、交番内に入ってくると・・・

 「あの~、、、ど~でした、気になっちゃって、、、」と恐る恐る尋ねます。
 「あかん! 牛やん、戻ってきやがった」
 机に突っ伏すスダコ。

 机の上の飲んだばかりの牛乳瓶を洗い始める鮎ちゃん。
 神妙な顔つきから徐々に微笑みが浮かんできます。

花.png 「昨日は大切な話、ありがとうございました」

 「こっちこそ、長いこと拘束してしもうて」
 「あいあい橋で祈ってきました」
 「そりゃーええ彼氏できるで、、、大失恋の俺が言うても信用できんけど」

 とびっきりの笑顔で、大きくうなづく鮎ちゃん。

 そこに笑みを浮かべてやってきたのが武雄兄ちゃん。
 スダコが空手を始めた時には32歳でしたが、もう46歳、頭の毛が88パーセント失われてしまいました。

 「失恋したんやて・・・プハ(こらえきれず大笑い)」
 鮎ちゃんを見て「こいつなあ~、昨日ふられよってん、ホテルのスイート予約しててんで、、、5万パア~、ハハハハハア~、、ああ、腹痛い」
 「兄ちゃん、何の用やねん、サッサと言うてはよ帰り~や」

 「俺、転勤になってな、道場通いづらいねん。お前に譲る」
 「はあ~」
 「今晩、駅前の居酒屋でスダコ道場発足祝いや! お嬢ちゃんも来てちょうだい」

  • (2020-08-04 02:33:40)
かささぎ橋の秘密 2
 さて、僕の空想物語もいよいよクライマックス。
 一番見てみたい映像です。

 雨の中、天の川の土手を必死で走る牛やん。

かささぎ橋.jpg やっと『かささぎ橋』が見えてきました。

 左岸の橋のたもとには、多くの一年生たち。
 その中に拡声器で話す圭ちゃんがいます。

 「雨が降ったらかささぎたちがいっぱい集まって、羽を連ねて橋になって、織姫さんと彦星さんを逢わせてあげたのよ」

 圭ちゃんを先頭に、傘をさす一年生たちが一列になって右岸に向かって歩き出しました。ちょうど圭ちゃんが右岸に到着すると、左岸に牛やんが到着します。

 小学生の列を確認するため振り返った圭ちゃんは牛やんに気が付きます。
 目を見開いて、表情が明るくなりますが、すぐに笑みを殺し動揺しだします。
 そこに牛やんの声が響き渡るのです。

 「圭ちゃーん」「圭ちゃん、ごめん」

 一年生たちが騒ぎ始めます。
 「先生! 先生の彦星さん?」
 「織田先生の彦星さんだ!」

 左岸から右岸まで一列に並んだ小学生が次々手を伸ばして傘を差し上げはじめます。
 「やったー!」
 「わお~」
 「先生おめでとう」

 傘の下を左岸からかがんで歩き始める牛やん。
 右岸から歩き始めた圭ちゃんと中央部で出会います。

 「待たせすぎやわ!」
 「ごめん、いろいろあって」

 橋の中央で抱き合う牛やんと圭ちゃん。
 
 一年生たちの歓声の中、、、
 「ひどい男やけど、お嫁さんになってくれる?」
 圭ちゃんの目から涙がこぼれる。
 「しゃーないな~」
 
 一年生たちが「せ~の」で一斉に傘を放り投げる。
 すると風が強く吹き、たくさんの傘が天に舞い上がる。
 それはまるで、かささぎの祝福の舞のように見えたのでした。

 この映像が一番見てみたい僕でした。
  • (2020-08-03 17:56:32)
逢合橋(あいあい橋)の秘密 2
 14年前、圭ちゃんが不良に襲われたあいあい橋の上に、ずぶ濡れの牛やんが欄干に両手をつき項垂れて立っています。(2020-07-15「逢合橋 (あいあい橋)の秘密」をご覧ください)

雨.png 2020-07-15「逢合橋 (あいあい橋)の秘密」をご参照ください。

 立ち去ろうと歩き始めたら、、、後ろから、、、
 制服姿のスダコが傘をさしてやってきます。
 橋の上で傘を放り捨て、腰の拳銃を抜き、標準先を牛やんに向けて騎馬立ちになって叫びます。
 「こら、不審者、両手上げえ~」
 振り返る牛やん。思わずバンザイします。
 「ええかげんにせえ! どんだけ圭ちゃん待たすんじゃ!」

 両手を下げる牛やん。
 「いろいろあったんや、、、俺は津波でやられた患者さんを救いたかった」
 スダコが拳銃を牛やんの喉元に当てる。
 「だのに教授は、ネズミ相手の実験が大事だと、論文を書けと言われて・・・」
 「で、ど~したんや」
 「さからってボランティアに出たら、病院はクビ!」
 「・・・」
 「おまけに教授の力は絶大で、北海道では就職できんようになったわ」
 「じゃあどこにおったんじゃ、携帯掛けても連絡つかんようになってたやんけ」
 「アフリカ?」
 「国境のない医師団で、ソマリアとかエチオピア」
 「・・・」
 「大変やったけど、、、医者としては充実してた」
 「婚約者は?」
 「一発で逃げていきよったわ、、、俺が好きなわけじゃなかった」
 スダコが苦笑いし、拳銃を腰に戻す。
 
 「忘れたんか七夕伝説、、、雨降ったらかささぎ橋やろ!」

 真顔の牛やんに笑みが浮かび、スダコを見て泣き顔になる。
 頭を下げた牛やんが「ありがとう」とつぶやき、天の川の土手を下流に向かって走り始める。

 スダコは交番に戻って電話をかけました。

 「今日スイート予約してる須田、須田航一郎です。行けなくなりましたんで、キャンセルします。・・・・・・はい、仕方ないです。もったいないけど・・・」

 電話を切ったスダコの顔に、徐々に笑みが浮かびだします。
 
 「よかったなあ~圭ちゃん、ほんまによかった」

 やがて大笑いになり、大粒の涙もこぼれだします。

 「ほんま、よかったにきまってるわ」

 雨の交番に不気味な泣き笑いが響いていました。
  • (2020-08-03 12:09:34)
すだこばし交番の秘密
 6年かけて、やっと昨日圭ちゃんにプロポーズしたと告白したスダコ。
 すだこばし交番は女子高生たちの歓声に包まれました。

 長い話を聞かされた鮎ちゃんたちが帰ろうとあいさつした時のことです。
 曇り空の窓の外を見たスダコがつぶやきます。
 「あ、圭ちゃん」

 あいあい橋で小学生を引率する圭ちゃん。

 あいあい橋での出会いの時は中学生だった圭ちゃん。今や29歳の大人の女性です。
 (ぜひとも映像で見てみたいですねえ~、僕の空想ではガッキーです)



 (突然すみません。この映画でファンになりました)

 大勢の一年生の前で、圭ちゃんが拡声器で話し出します。
 「ここが天の川にかかるあいあい橋、織姫と彦星が一年に一回だけ会える橋なんです」
 暗い空から雨が降り始めました。
 「今日みたいに雨が降ると、川の水が増えて二人が逢えなくなってしまいます」

 一年生がざわつきます。
 「かわいそー」
 「一年に一回だけやのに・・・」
 
 「そんな時、かささぎって鳥がやってきて、いっぱい連なって橋を作ってくれたの、それで二人は逢うことができたの・・・」

 交番を後にした鮎、みき、せりなも後ろで聞いていまいた。
 みんながバスに乗るとあいあい橋の上で三人が話し始めます。

 「かわいかったね、織姫さん」
 「お巡りさんにはもったいないかな?」
 
 鮎ちゃんが遠くを見つめながら「そ、そ~かな?」とつぶやくと天の川の川面に魚がポチャリと跳ねました。

 「雨か・・・」
 交番の窓から圭ちゃんを見ていたスダコは日誌を書き始めます。

 雨はますます強くなり、、、
 あいあい橋には圭ちゃんも鮎ちゃんもいなくなりました。
 時々思い出し笑いをするスダコ。不気味である。
 急に立ち上がって壁ドンし、キスの真似をするスダコ。かなり不気味である。

 立ち上がり、ふと窓の外を見ると、、、
 あいあい橋の上に牛やんがずぶ濡れのまま立っています。
 スダコの不気味な微笑みが一瞬で消えました。
 
 ・・・そりゃ~あたりまえですよね、スダコは「今日あいあい橋に牛やんが来なかったら僕のお嫁さんになってくれ」って圭ちゃんに言ったんだもんね・・・

 スダコは交番の中を落ち着きなく行ったり来たりしており、そのうち空手の型なんか始めたりして落ち着きません。
 
 舞台はあいあい橋に代わります。(もうちょっと辛抱して・・・)
  • (2020-08-03 00:43:36)
プロポーズの秘密
 2011年の東日本大震災の6年後、つまり2017年の七夕前日になって、やっとスダコは圭ちゃんにプロポーズしたのです。

ホテルアゴーラ.png 京阪電車、守口駅前のシティーホテル。

 思い切って最上階のレストランを予約したスダコ。
 テーブルに向かい合わせに座るスダコと圭ちゃん。
 テーブルの上のろうそくが、薄暗い店内から、異常なほどに圭ちゃんを美しく映し出します。

 「早いなあ~、もう14年たったんやで」
 「ありがとう、ずっと見守ってくれて」
 「いや、俺、圭ちゃん好きやったから」
 簡単に口に出せて自分に驚くスダコ。
 「わかってた、甘えとったわ、うち」
 「俺、14年前、圭ちゃん助けられへんかったし」
 「何言うてんのん、14年間ずっと助けてくれたんスダコやん。うちが教師になれたんスダコのおかげやで」
 「それは圭ちゃんの努力や・・・、そんで・・・あの」
 「なに?」
 「あの、あ、あ、明日、牛やんけーへんかったら、僕のお嫁さんになってほしい」
 うなずく圭ちゃん。
 「明日の晩、このホテルのスイート予約してん。かめへん?」
 ほほ笑む圭ちゃん。

 すだこばし交番で聞いている鮎ちゃんたち女子高生からびっくりするほど大きな歓声が上がりました。

 これでやっと、スダコの七夕伝説話が終わったのです。
 (つづきます。もう少しですので、ご辛抱ください)
  • (2020-08-02 09:14:46)
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