ロッキー動物病院

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大腿骨頭切除術の秘密

　今回は本当の「秘密」です。
　なんでかって言うと、、、失敗談を記載するからです。
　世の中がデジタル化し、獣医さんが情報を仕入れる機会も、居酒屋や喫茶店での雑談からネットになりました。よ～するにアナログからデジタルになったわけです。

　デジタルの方が情報量は圧倒的に多い。
　しかし、失敗談は圧倒的に記載しにくいのです。
　世界中の人が見ている可能性のあるデジタル情報で自分の失敗は言いにくいのです。
　（飲み会で先輩から聞く失敗談がどれだけ役に立つか・・・）

　獣医に限らずすべての業種に起きている問題だから記載しまくってます。
　『失敗談が伝わらなくなった！』
　（よければ右上サーチで「失敗学」と検索してください）
　
　前回記載した犬の『レッグペルテス病』では、大腿骨頭への血液供給がなくなって、壊死してしまうため、侵された後ろ足が障害され、痛みを伴います。

　うちにやって来た7ヶ月のトイプードルさんです。

　最初に来られた時のレントゲン。

　左の後ろ脚を痛がってはりました。
　痛み止めを処方しても効いてくれません。
　「レッグペルテス病」と診断しました。
　手術で壊死した大腿骨頭を取ってしまうことになりました。

　人だと二足歩行ですので、人工関節にします。
　犬の場合だと偽関節が作られ、時間が立てば正常に歩行できるようになります。
　走ることもできますが、、、ちゃんとストップウォッチで測ればタイムは落ちているかもしれません。

　手術日のレントゲンです。

　病気は進行しています。
　悪いところ（左の大腿骨頭）を取ってしまえばよいわけですが、、、
　とっても小さな犬だということで、注意が必要です。

　昔、小さな犬で失敗しました。
　外科の本を読むと、大腿骨頭切除は骨ノミを使いなさいと書かれています。
　最近だと手術用の電動のこぎりが良いなんて書かれていますが、これがかなり高い（ベンツ1台？）ので整形外科の症例がかなり多い病院でないとありません。
　当然ロッキーにはなく、骨ノミを使いました。

　申し訳ないことに大腿骨が折れました。
　一生懸命飼主さんに謝りました。
　そして、整形外科専門病院の院長に手術をやり直してもらいました。

　以来、超小型犬の大腿骨頭切除はホームドクターではしない方が、、、
　と、思っていたのですが、、、

　今回、実施しました。

　犬や猫の外科の本はアメリカの訳本が多いのです。
　アメリカでは３０㎏の犬が中型犬と呼ばれています。
　大きな犬が多いのです。
　超小型犬ばかりの日本とは、犬のサイズが全然違う。
　
　普通、体の中で一番太い長骨である大腿骨は、かなりの衝撃にも耐えることができます。交通事故やビルからの落下事故にでも遭遇しない限り骨折することはありません。

　しかし超小型犬は違うのです。
　日本の動物病院の外科の本には「骨ノミで叩いたことで骨折することがあります」と注意を記載すべきです。
　

　手術用ドリルを使用しました。

　何カ所も穴をあけて骨頭を切り取りました。大腿骨に力が加わることもなく安心です。
　おまけにドリルでは、取り除いた後のギザギザを削ってスムースにすることもできます。

　安全に実施できました。

　日本の外科の本には「超小型犬では、手術用のノコギリがない場合はドリルが安心」と記載してほしいと思います。

(2018-05-24 14:23:36)

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レッグペルテス病の秘密

　エンタメニュースで知りましたが、、、

　坂口憲二さんが俳優を休まれています。

　１５年春になって「特発性大腿骨頭壊死症」と診断され、さすがの『医龍』も手術を受けてしまいました。（エンタメニュースより）

　この病気は医療費が助成される厚生労働省の特定疾患に指定されいて、患者数は約１万１０００人とされ、年２０００人ほどの患者が新規に発生しているそうです。
　治療法は確立されていないらしく（ええ？）壊死した後、骨がつぶれて痛み、歩行などが困難となった場合は人工関節に置換する手術などを行います。

　現在坂口さんは半年に１回ペースで通院し筋トレなどでリハビリ中のようで、今後は治療に専念し「体調を戻してから、自分のできることをやっていきたい」と言うてはるらしい。

　『医龍』ファンとしては復活してもらわんと、困るんです。
　しんどいでしょうが、頑張ってください！

　当院の症例を紹介します。
　６カ月の時に避妊手術をし、１カ月後左の後ろ脚を痛がって持ち上げているということでやってきたトイプードルさんです。
　痛み止めを使いましたが、なかなかよくなりません。

　レントゲンを撮りました。

　大腿骨頭（股関節にはまっている大腿骨のソケット部分）がガタガタになっています。レッグペルテス病と診断しました。

　正常な犬の大腿骨頭です。

　症例のトイプードルさんのレントゲンと比べると骨頭がスムースでしょ？

　人の場合は、お酒の飲みすぎやステロイド剤の過剰投与に注意すれば予防になるらしいのですが、はっきりした原因がわからず『特発性大腿骨頭壊死賞』と呼ばれています。

　犬の場合も大腿骨頭に血液が行かなくなって死んでしまうことには変わりありません。しかし人と違って成長期に起こり、証明されてはいないけど、原因は遺伝だと言われています。

　しかしながら、犬の場合は大腿骨頭を取ってしまう（大腿骨頭切除術）ことで痛みもなくなり、しばらくすると偽関節になり、見た目は正常な犬になります。
　どうも、人の場合の方が治療が難しそうです。

　手術が決定されました。

ＰＳ：手術の話は次回に・・・

(2018-05-23 11:39:45)

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パスタの秘密

　獣医さんらしい話が続くと、、、
　すぐ、僕らしくないなどと、、、
　また、食べ物の話でして、恐縮します。

　ごはんが大好き！！！
　「たくあん３切れで、ドンブリ一杯食べれます」などと豪語しておりましたら、ご多分に漏れずメタボリックシンドロームに陥り、おまけに潰瘍性大腸炎になって、ぎょーさん食べることができなくなりました。

　「ごはんは中毒物質や、たくさん食べたらくせになる」

　・・・と、眉に唾を付けるどころか、完全に学術的根拠のない自分の説を主張し、ごはんを減らし、お好み焼きや、焼きそば、はたまた麺類が増えて、余計に炭水化物ざんまいになってしまいました。
　（2018-05-15「ＲＩＺＡＰの秘密」をご覧ください）
　

　昔なつかしい、喫茶店のナポリタン。

　麺はスーパーで買ったオーマイスパゲティー、ケチャップとウスターソース、鶏がらスープの素に塩コショウだけで、、、うまい！

　ちなみに、本場イタリアには『ナポリタン』なんてないそうでして、、、
　何でもとりいれて、何でも自分たちに合うよう修正してしまう日本人の特徴が一番あらわれているのが『料理』じゃあないかと思います。

　今じゃあ、世界のグルメ達に『世界中の美味しい料理が食べたいなら東京に行きなさい』と言われているとか、、、よ～するに本場の国よりうまいのです。

　『なにがボロネーゼや！　ミートソースって言え！』などと暴言はいてるおっさんですが、僕らの子供の頃は、パスタではなくスパゲティーでして、しかも「ナポリタン」か「ミートソース」かの二者択一でした。
　これは子供にとって大問題でして、喫茶店でスパゲティー食べることに大興奮している頭で、どっちにするかは大きな悩みをもたらしたのです。
　

　なんでナポリタンより茶色いのか？

　具はベーコン、ピーマン、ニンニクだけ、ペペロンチーノです。
　唐辛子は入れ忘れたのですが、、、塩コショウの辛味だけで十分美味しい！

　日本人としての最高傑作。

　カレースパゲティーですやん。
　カレー自体が、日本人の創作料理です。それをハムと玉ネギのペペロンチーノにかけてしまうとは、、、まいったか！　イタリア人とインド人。

ＰＳ：前回「おやつのやりすぎ注意！」なんて言っときながら、、、急性膵炎起こしてまうど！

(2018-05-21 18:41:56)

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急性膵炎の秘密

　昨日（5/18）の夜は北摂夜間救急動物病院でセミナーでした。

　膵炎について鳥巣先生のお話です。

　主に急性膵炎についてご教授いただきましたが、、、
　慢性膵炎については2015-02-19「慢性膵炎の秘密」をご覧ください。
　慢性膵炎の場合・・・
　症状は食欲不振・軟便・体重減少・嘔吐なんかですが、ちょっと元気がないくらいでわからないことも多いと記載しています。
　特に猫はわかりにくい。
　今まで診断できてなくて、勝手に治っている症例も多かったかも？
　・・・と、書きました。

　急性膵炎の場合・・・

　ほとんどの犬は『吐く』のですが、、、

　慢性同様、猫の急性膵炎は特定の症状を出さないため、わかりにくいのだ。

　興味深いお話としては・・・　

　膵臓全体が炎症を起こしているのは２割。

　炎症が膵臓の４割にしかないものが半分らしい。
　で、炎症を起こした部位によって、症状が違ってくるらしいのです。

　強烈な嘔吐や血便は左葉に多く。

　右葉の場合は「なんとなく食べない」「食べたものをまとめて吐く」など、どんよりした症状になるそうです。
　また膵体部に炎症があると総胆管が詰まってしまい、黄疸になることが多いので、出ている症状によって疑わしい部位をエコーで探すのが良いようです。

　だから、急性膵炎だろうと一部を切り取って病理検査してもらっても、なんともなかったり、軽度の膵炎で帰ってきたりするんだ～・・・なっとく！

　人の場合、慢性も急性も、膵炎原因Ｎｏ１は『飲酒』であります。
　飲み会の後、、、「なんかむかむかする？」が続いており、、、
　ある日、突然激痛で立ち上がれなくなり、救急車のお世話になってしまうのです。
　
　つまり慢性膵炎が存在しているのに、ただのお酒の飲みすぎやと勝手に診断して、飲み会参加を断らず、参加し続けて急性膵炎を引き起こしてしまうのです。

　開院して３０年以上たちましたが、ビール好きの犬や、日本酒好きの猫は診察したことがありません。
　ただ、オヤツのやりすぎは多いと思います。
　時々吐く子も多い。

　慢性膵炎が隠れているかも・・・？
　お気をつけください！
　
　2018-05-14「ロッキーライザップの秘密」からダイエットの話が続いておりますが、、、

　最近、料理にはまっております。

　カレーはあかん！　腸炎に悪いし、、、

　ど～しても、ご飯食べすぎる。
　潰瘍性大腸炎に加えて膵炎起こしかねませんわ！

ＰＳ：タモリさんのようにロッキーレシピの人気が出ないかなあ～

(2018-05-19 14:50:44)

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ダイエットの秘密

　ダイエット(diet)とは英語で規定食という意味だそうです。
　ご存知でしたか？？？

　人や動物や共同体が習慣的に摂る食品のことでして、、、
　健康のためや美容のため、肥満の防止・解消のために食事を制限すること
　これら（食事療法）のための食事はすべて規定食、つまりダイエットです。

　よ～するに痩せることだけではないのです。

　前々回「ロッキーライザップの秘密」で、体重オーバー犬の８３％が一生のうちに関節炎になると記載しました。
　また、体重オーバー猫の方が適正体重猫にくらべて尿路に問題が起きるリスクが２.５倍に達するとも記載しました。
　でも、でも、なぜ痩せることができないかを記載しておりません。

　そこが大事やろうということで、、、

　まずもって、飼い主さんが減量が必要だと思っていない！
　これが一番の問題で、一番の原因だろうと思います。

　渡辺直美さん、か、かわいいですやん！

　でもな～、自分の娘やったら、、、
　貯金はたいてでも、ライザップに入会させるかもなあ～

　まず、、、お父ちゃんがなあ～

　仕事で遅くなり、夜中に帰宅します。
　静かに玄関の鍵を開け、中に入ります。
　嫁さんも子供も寝ています。

　しかし、しかしですよ！
　愛犬だけは『お父ちゃん、おかえり！』
　『待っとったで～、あそぼ、あそぼ！』
　足元にまとわりつきます。

　何とか台所にたどり着き、冷蔵庫から残り物の唐揚げと缶ビールを取り出します。
　当然、唐揚げはチンして、缶ビールの蓋をこじ開けます。

　ふと足元を見ると、、、なんと可愛いつぶらな瞳、、、

　唐揚げ、落としますよねえ～
　落ちたものは仕方ありませんよねえ～

　これを、心を鬼にして、愛犬の健康のために・・・で、できねえ！

　おやつは投与カロリーの１０％まで、、、

　５㎏の犬がクッキー１枚食べると、人間で言うとハンバーガー１個食べたことになります。
　４㎏の猫が魚肉ソーセージ1/3食べたら、人間ならショートケーキ1個なんです。

　なかなかでしょ！

　食べた分は運動すればええんやけど、、、そうは問屋が卸してくれません！

　運動より食べる分の方が大きいですよね。

　自分で考えても、そうなんですけど、、、
　案外、僕の同業者（獣医）は過激な運動にはまる人が多く、、、

　無理は禁物！　リバウンドしまっせ！

　てなわけで、、、
　人間のダイエットについては2018-03-02「最強の食事術の秘密」をご覧ください。

(2018-05-17 00:29:11)

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