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戦後の秘密
 映画『海賊と呼ばれた男』を見てから、、、
出光.jpg 買ってしまった。別冊宝島

 出光佐三さんも国岡鐵造さんも、、、
 (ようするに現実の出光興産創業者も小説も映画も)
 1945年8月17日「馘首(かくしゅ)せず!」と言いました。

 終戦直後に「誰一人クビにはせん!」と言っても現実「ど~すんねん!」と思いますわ。

 実際、出光商会はやれることは何でもやったそうです。
 農場経営、定置網漁、印刷、そしてラジオ修理・・・

 さて、映画(小説)では元海軍大佐・藤本壮平が店主のもとへGHQ要請の仕事を持ち込みます。

 まずGHQとは?
GHQ.JPG 連合国軍最高司令官総司令部のこと。

 連合国軍最高司令部、連合国最高司令官総司令部とも言いました。
 太平洋戦争終結に伴うポツダム宣言を執行するため、日本で占領政策を実施した連合国軍機関である。職員はアメリカ合衆国軍人とアメリカの民間人が多数で、他にイギリス軍人やオーストラリア軍人らで構成されていたそうです。
 東京駅・丸の内にあった第一生命ビルが接収されたそうで、今も残っています。
 映画ではCGでうまく再現されています。(さすが山崎監督)

 で、どんな仕事かって言うと、ラジオの修理です。
 まだテレビはなく、ラジオが通信手段として重要であり、GHQが打ち出す政策(農地改革・財閥解体など)を広く世間に知らせるためだったのです。

 映画では店主が藤本の身なりを確かめ、ボロボロの革靴を見て、、、
 「うちの会社に入って君がラジオ部の部長になれ」と言います。

 実在の人物でして、海軍兵学校出身と言えばエリート中のエリートでして、それが部下たちのために持ち込んだ仕事だったからです。

ピエール.JPG ピエール瀧さんが演じています。

 『三丁目の夕日』の氷屋さんでファンになりました。
 『続三丁目の夕日』では冷蔵庫の普及で出番がなくなり、アイスキャンデー屋さんに転身。
 『三丁目の夕日64』ではコカ・コーラの自動販売機が心配で見張っている店主になっておりました。「自販機の意味ねえじゃん!」

 氷屋さんが毎日自転車で氷を売りに来て、それを冷蔵庫ではなく保冷庫の一番上にいれて食品保管をする時代を知っている最後の世代である僕は、この映画が大好きなのです。
  • (2016-12-31 09:23:10)
終戦の秘密
 前回記載させていただきましたように、石油がほしいがために戦争を始めた日本は、石油が亡くなってしまい戦争に負けました。
 『海賊と呼ばれた男』東京大空襲でやって来たアメリカの爆撃機・B29に対して飛行場から飛び立つ夜間戦闘機・月光が描かれています。
 
 飛行兵「なんで飛び立たないんだ!」
 整備兵「石油がないから飛び立てません!」

終戦.png ハリウッド映画に学ぶのも悲しいけど・・・
 (2013-08-01「マッカーサーの秘密」を読んでほしい)


 1945年(昭和20年)日本では『終戦』と言いますが、現実は『敗戦』です。
 出光佐三さんの日記には・・・
 
 「十五日正午、玉音(おんぎょく)を拝す」
 「ようやく終戦の事実を知る。涙も出ず、ただ茫然たり」

 二日後の十七日、奇跡的に残った銀座の出光本社に社員を集めて訓示を行いました。

 「泣き言をいわずに大国民としての態度を失わず、堂々と日本国の再建設に進まなければならない」というものだったそうです。

 小説では国岡商店本社ビル(国岡館)において、店主が、、、

うえ.JPG 「今から皆のものに申し渡す」

 「愚痴はやめよ!」
 「愚痴は泣きごとである。亡国の声である。婦女子の言であり、断じて男子のとらざるところである」
 (近年では男子の方が愚痴ったりしますけど・・・)

 「日本には三千年の歴史がある。戦争に負けたからといって、大国民の誇りを失ってはならない。全てを失おうとも、日本人がいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる」
 「直ちに建設にかかれ」
 「昨日まで日本人は戦う国民であったが、今日からは平和を愛する国民になる。しかし、これが日本の真の姿である。これこそ大国民の襟度である。日本は必ずや再び立ち上がる。世界は再び驚嘆するであろう」
 (これも結構盛りまくった演出と言えますが、現在あたってる所がすげえ~)

 ここからがすごいのです。映画も小説も、はたまた現実の出光佐三さんも・・・

 『馘首(かくしゅ)せず!』

 つまり、誰一人リストラしない!と宣言するのです。
 これは当時の日本の状況では考えられんことやと思います。
 小さな小さな、有限会社の社長としては感服せざるを得ない人物です。
  • (2016-12-30 15:35:53)
石油の秘密
 出光(海賊と呼ばれた男)の話が続いておりますが、、、(まだまだ続く)
 映画のパンフレットに載っていた中嶋猪久生(中東経済/石油史)先生が書かれた石油の歴史です。

 石油産業は1859年アメリカで始まったらしいのですが、、、
 そないに日本も後れを取っていたわけではございません。
 明治初年(1868年)には始まっておりました。
 (ほんまこの頃の日本ってすごいですよね、まだちょんまげやと思うし)

 明治7年にはアメリカの地質学者を招聘して、日本列島をくまなく調査。
 「ある程度期待が持てまっせ!」と言われ、ぎょーさん石油のベンチャーが生まれました。

 生産量の第一ピーク、明治42年には29.9万キロリットルの産出量で、中東の油田開発がまだだったので世界第8位だったのです。
 しかし、、、
 「いつまでもあると思うな、石油とプリンターインク」という格言通り、石油産出量は減っていきます。反対に石油消費量はドンドン増えるのです。(あたりまえ!)

 必死で国内油田開発に力を入れますが、、、
 第2ピーク、大正4年の47.2万キロリットルが限界でした。
 
 「もうあかん、外国に行くしかあらへん!」

 当時オランダ領だったインドシナ(現インドネシア)に目を付けます。
 ところがこの辺、石油利権はイギリスさんの縄張りでした。
 何とか食い込もうとする日本。

 昭和の初期、日本経済は発展しまくり、アメリカ経済を脅かすまでに成長していたそうです。
 「くそなまいきなやっちゃー」と経済制裁が発令されまして、アメリカの石油が輸入できなくなったのです。

 ちょうど今安倍さんが行っている真珠湾ばかりが注目されますが、、、
 ほぼ同じころ日本軍はボルネオやスマトラの油田を攻撃して占領しているのです。

空母.jpg 石油を手に入れるために戦争に走り、
永遠の0.jpg 石油がないために戦争に負けてしまう。

 国と国も僕らがやっている喧嘩と変わりません。
 エゴとエゴのぶつかり合いです。
 トランプさんになって、、、大丈夫かなあ?
 (世界中が自分の国第一主義になっていきそうで・・・)

 さて、この辺の油田を任されたのが出光商会なのでした。

 映画では石油統制機構(石統)と軍部が組んで2500人規模の巨大組織を作ろうとしたところ、店主が「国岡商店に任せてもらったら250人でやれまっせ!」と話すシーンが劇的に描かれています。

 結構実話みたいでして、映画では出てきませんが利権を取り損ねた現場の軍人関係者の間では「出光なんて銃殺にしてしまえ」という言葉さえささやかれていたようです。
 それでもフィリピン、マレー、ジャワなど各地に社員を派遣し、言葉通りの「企業戦士」となって働き、兵隊でもないのに多大な戦死者を出しました。
  • (2016-12-29 18:22:50)
販売エリアの秘密
 出光商会はもともと灯油で走っていた漁船に対して、
 「焼玉エンジンは軽油でも走るし、値段は1/3でっせ」
 と売り込んでバカ当たりさせました。
 (前々回「出光商会の秘密」をご覧ください)

 しかも販売エリアを越えて売るために船に軽油を乗せて海の上で売るという、いわば裏技を使って売りまくったのです。

舟.JPG 映画でもしっかり描かれています。

 「ここは海の上じゃあ、下関も門司もないわ!」

 やがて他の会社も軽油を売るようになると出光のシェアは小さくなります。
 かと言って陸上では販売エリアの制約があります。
 海外に打って出るしか策はなくなります。

 満州に目を付けました。
 南満州鉄道(株)と車軸油の取引交渉を始めます。
 出光車軸油の見積もりは、アメリカ製に劣らない性能でスタンダード社の半値です。
 しかし、、、
 この頃、世界の油はヴアキューム、スタンダードといった国際石油資本が牛耳っていたのです。
 
 満州は寒い。めっちゃ寒い。
 車軸油さえ凍ってしまうのです。
 凍ると摩擦熱が生じて、車軸が焼き付いてしまいます。
 機関車が立ち往生してしまう事故が多発しました。
 1918年出光佐三さんは「二号冬候」と言う耐寒性の車軸油を開発。石油メジャーから満州と言う大市場をもぎ取ることに成功しました。

満州.JPG 映画では車軸油の実験が描かれてます。

 ちょっと、誇張した演出かも?(盛った?)

 石油メジャーは煮え湯を飲まされた満州のことを忘れません。ここから喧嘩が始まるのです。

PS:石油メジャーとは、資本力と政治力で石油の探鉱(採掘)、生産、輸送、精製、販売ま での全段階を垂直統合で行い、シェアの大部分を寡占する石油系巨大企業複合体の総称です。
  • (2016-12-28 23:52:32)
神戸高等商業学校の秘密
 前回、大変失礼なことに出光興産創業者・出光佐三さんのことをヤクザだと言ってしまいました。少しフォローしときますが、神戸高等商業学校(現神戸大学)を卒業されたエリートでもあります。
 そして、ヤクザという言葉も部下を率いる力を一番必要とする職業という意味で使用しています。上司の為に・・・と言う力が強大であるのです。
 映画では『店主がやれというなら・・・』と描かれていました。

 さて、この神戸高商で出光佐三さんはトップクラスだったそうですが、水島校長から多大な影響を受けます。
 昭和で言えばバブルでしょうか?当時、日露戦争に勝利した日本は浮かれまくっていました。
 神戸でも拝金主義が蔓延していたようです。
 「とりあえず銭だっせ!」と言う世の中にいるにもかかわらず、水島校長は『金やないで!』と、その風潮を憂慮してはりました。

佐三さん.JPG 佐三さんが出光創業以来言い続ける言葉。

 『黄金の奴隷となるなかれ』意味は「世の中金だけやない」
 『士魂商才』意味は「武士の精神と商人としての抜け目ない才能とを併せもっていること」と書かれていますが、佐三さんの生き方からは武士の心を持って商売をするって感じます。

 一方、内池教授からは・・・
 「生産者と消費者をつなぎ、相手の利益を考えながらモノを配給するのがこれから残る商人だ」と教えを受けます。
 これが後の佐三さんの商売哲学『大地域小売主義』につながります。

 生産者と小売業者の間には卸売業者がいます。
 生産者が利益を上げようとすると卸や小売りが損をする。
 売り手すべてがぎょーさん儲かると消費者がしんどい。
 (自分だけが儲かったらええと考えないところがすごい!)

 で、出光がたくさんの小売店を持って、生産者から仕入れた商品を直接消費者のもとへと届ける。これで消費者の人に安く買ってもらうことができるというわけ。
 ただし、これはめっちゃお金がかかるシステムでして、佐三さんの会社はいつも資金繰りに苦労することになります。

 神戸大学ってすげえ!
  • (2016-12-28 10:33:49)
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