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ヒグマの秘密
 突然ですが、、、

黄昏熊.jpg 今秋、北海道斜里町ウトロで目撃!

 ヒグマが黄昏ています。

 出張中の方がツイッターに投稿したそうです。

 ヒグマが何を思ったのか・・・?
 この後、海に飛び込んだそうです。
 死体は見つからなかったようで、幸いなことに死んだわけではなさそうです。

 ただ、この「幸い」という言葉。
 ブログに変なことばかり書いているオッサン獣医の言葉としては違和感がないでしょうが、、、
 ヒグマに襲われた人や関係者にとっては、許せない言葉であるかもしれません。

 そんなことを考えているうちに、ムツゴロウさんこと畑正憲先生の小説を思い出しました。

青い闇の記録.jpg 畑先生が1973年(僕、高校1年生)に出版されました。
 まだまだ青い(今でも?)僕が感動してしまいました。
 現代国語の宿題である読書感想文を、先生に直訴して「小説でもええですか?」なんて、今考えると冷や汗、脂汗、脇汗が滝のように流れる言葉を発しました。

 この小説のストーリーをパクって、幼稚園児レベルの物語を書いたのです。
 これが40年後、映画好きが高じてシナリオ教室に通うようになる変なオッサン獣医の原点かもしれません。

 身体は高校生だが頭は幼稚園児なりに考えて、舞台は熊が目撃された斜里町、地名は架空の知円別としました。
 出だしを覚えています。
 「知円別の人たちは待っていた。お医者さんを、、、無医村だったのである」

 汗の放水警報が出ているために、、、
 話を畑正憲著「青い闇の記録」に戻します。

 当時、急に知床が観光地としてクローズアップされました。
 主人公は若い女性。
 兄と恋人を含むグループが北海道の知床を訪れます。
  
 で、キャンプ中にヒグマに襲われ、、、
 恋人が唯一の生還者。兄は行方不明になるのです。

 そして、、、
 主人公は真相究明のために、北海道へ旅立つ・・・

 ミステリーと言うか、推理小説仕立てだったように記憶しています。
 なぜそう鮮明に記憶しているのか???

 じつは「究極の推理小説が現れた!」と思ったからなのです。

 探偵=犯人と言う小説はあります。
 登場人物全員=犯人もあります。
 物語の途中で死んだ人=犯人だったり、、、
 物語の記述者=犯人だって存在しているのです。

 未だかつて誰も書いたことがない犯人とは・・・
 読者が読み終えた時「俺が犯人や!」と言わせるもの、それが究極の推理小説であると、何かで読んだからなのです。

 一見幼稚園児でもわかる犯人。
 はたしてヒグマが本当の犯人なのだろうか?
 じつは、、、
 「環境破壊」が真犯人ではないかと問いかける小説でした。

 僕らの生活費を稼ぐ父親が勤務している会社が知床を開発し、山を削り、ヒグマの食べ物を減少させました。
 お腹を減らして山から下りてきたヒグマが、、、
 僕たち観光客の捨てたごみをあさり、人の食べ物を覚え、餌付けされ、、、

 高度成長期の日本は、ごみを垂れ流し、公害天国でした。
 だからこそ、究極の推理小説が生まれたのです。
 読み終えた僕は・・・
 「北海道にあこがれて、行きたいなんて思ってる僕も犯人やんか!」と思ったのです。

 すごい小説なのですが、、、今は絶版です。

 地球温暖化が叫ばれ、地震や台風による自然災害が頻発し、いかんせん原子力事故さえ起ったというのに、当時に比べると、どこ吹く風かな?状態です。

 今こそ「青い闇の記録」を再出版するべきだと思います。

PS:2012-04-28 「確率の秘密」を読んでいただきますと、僕がぜひとも復刻してほしいもう一つのムツ先生の著書「精密麻雀」のことを記載しています。
 ちなみに熊との遭遇、当時より増えています。
  • (2017-11-06 12:17:57)
炎症性乳がんの秘密
 10/31(火)に受講した堀場製作所・ペピイ小動物学術セミナー
 「切る腫瘍、切らない腫瘍」
 飼主さんにもお伝えしたいことを、四国動物医療センター長である入江先生が、たくさん話されました。
 
 だもんで、11/2「DICの秘密2」から今回まで4回もご講義の話が続いてしまいました。
 今回で終了しますので、お許しください。

炎症性乳がん.JPG 「切らない腫瘍」の代表です。

 めったにないのですが、犬の乳腺腫瘍の中に切れば切るほど犬の状態が悪くなってしまうものがあります。
 これを手術する前に、、、
 「手術中止!」と叫ばなければいけないのですが、、、
 なかなか見分けるのがやっかいなのです。

 講師の先生は3.4mmのパンチ生検を勧めておられました。
 革のベルトに丸く穴をくりぬくようような刃物で皮膚をくりぬき、病理の先生に診てもらうのです。
 僕は細胞診に興味を持ってることもあり、針生検査で調べることが多い。
 病変部を針で指して、細胞を調べるのです。

 でもって、見分けなければなりません。
 それを実施しても、なかなかむつかしい。

 そのうえ、二次性の炎症性乳がんと言うのがあります。
 これは、普通の乳がんが手術することによって炎症性乳がんに変わるタイプ。
 事前に察知できるはずがない。

 しかし、、、
 「手術しなけりゃよかったね」と呟くことを減らすように頑張っています。

 あとね、、、
スペイと腫瘍.JPG 乳腺腫瘍や子宮蓄膿の予防になるため、、、
 
 お勧めしていますが、、、

 避妊(卵巣子宮摘出)去勢(睾丸摘出)した犬の方が腫瘍(がんなど)になりやすいというデーターもあるようです。しかも扁平上皮癌や骨肉腫が多くなるようで、確実に減少する乳腺腫瘍に比べると圧倒的に治療しにくい腫瘍です。

 心配になって、勤務医の先生に調べてもらいました。
 (自分でせえよ!)
 かなり昔のデーターで、調べた犬たちの状況、環境がバラバラであり、あまり信頼できる調査とは言えないようです。
 扁平上皮癌や骨肉腫は、治療しにくいとはいえ、、、
 とてもよく見る乳腺腫瘍に比べると、圧倒的に頻度は少ないため、当院は避妊去勢の手術は実施し続けます。

 大規模なデーターで、避妊去勢した犬の方が、実施していない犬よりも長生きしていることは事実ですしね。
  • (2017-11-04 09:38:09)
乳腺腫瘍の秘密 3
 前々回から四国動物医療センター長である入江先生のお話を綴っております。
 『切るべきか、切らないでおくべきか』それが問題な腫瘍の一つが、、、

 乳腺腫瘍(いわゆる乳がんなど)であります。

 犬の乳腺腫瘍は1:1ルールと言い、悪性と良性が半々くらいと言われておりましたが、最近の研究では小型犬の多い日本では悪性比率は少ないと言われています。(2016-10-31「乳腺腫瘍の秘密」に記載しています)

 ではでは、乳腺に小さなしこりがポツンと1個だけできていた場合、、、
 早期発見、早期治療が原則ではありますが、急いで手術すべきなのでしょうか?

 僕の場合、まず針で刺して細胞を吸引し顕微鏡で観察します。
 これは細胞診と言いまして、30年以上前に興味を持ったのです。
 (2012-03-26「細胞診の秘密」参照、すんません5年も前です)

 細胞を観察してみて、腫瘍じゃあなければ手術するべきか悩む必要もありません。
 またまた、腫瘍であっても、いわゆる乳がんではないものかもしれません。
 昔々、東京の臨床フォーラム・ポスターセッションで「シーズーの乳腺にできた肥満細胞腫の一例」という発表をしたことがあります。
 この講義でも乳腺にできた扁平上皮癌がでてきました。

 乳腺部のしこり=乳がんではないということで、細胞診すべきなのだと思います。

乳腺切除.JPG 切除範囲に関しては・・・

 大きく採っても、しこりだけとっても、のこされた寿命(予後と言います)に変わりはありません。(2017-05-03「乳腺腫瘍の秘密2」参照)
 
 僕の場合は、ビビリなので小さく採ることが多いと思いますが、、、
 切除後1年以内に別の所に乳腺腫瘍ができる確率は58%と言う報告があり、講師の先生の場合は片側全切除(片方の乳腺を一列全部取る方法)することが多いそうです。

 さて、その時・・・
同時手術.JPG 同時に避妊手術すべきかどうか・・・

 これも議論が続いておりますが、、、
 予後(残された寿命)には差がないそうです。

 だからビビリの僕は乳腺だけ取ることが多いのですが、、、

卵巣子宮.JPG 同時に摘出した卵巣・子宮を検査すると、

 異常が見られる場合が多いとのことで、、、
 講師の先生の場合、同時手術する場合が多いそうです。

 確かにうちの病院でもよく同時摘出していた時期があるので、卵巣子宮も病理検査に出していました。ほぼ100%異常でした。

 うちもそろそろ考え方を変える時期に来ているかもしれません。
 若手勤務医の皆さん(3人だけですが・・・)と議論します。

PS:次回、炎症性乳がんの話で終わります。
  • (2017-11-02 18:02:14)
肥満細胞腫の秘密
 さて、、、
 前回から続く「切るべきか、切らざるべきか」のお話は、腫瘍(がんなど)の切除範囲のお話になり、肥満細胞腫が出てまいりました。

 この腫瘍は肥満細胞が腫瘍化(がん化)したものです。
 ちなみに太っているからと言ってできてしまうわけではございません。
 取り切れない(完全切除できない)腫瘍の代表選手です。

たこ.JPG 足を出しているから厄介なのです。

 一番外側の円で切除しないと、また出てきます。
 ところがごっそり取れない場所もあり、問題なのです。

 色々研究され、、、
1センチ.JPG 肥満細胞腫からの距離1㎝では、、、

 75%が完全切除(全部取りきれた)らしいのです。
 
 昔は3㎝と言われてましたが、、、
2センチ.JPG 今では2㎝必要と言われています。

 写真には100%と出ていますが、なかなか手ごわい腫瘍でして、放っておいたら消えてしまうやつもいるかと思えば、すごく大きく採ったつもりでも再発することがあります。

 よかったら、かなり前ですが2012-07-22「分子標的薬の秘密」をごらんください。

 5年前はグリベックと言う外国製の薬のことを記載しておりますが、今ではパラディアという肥満細胞腫の治療薬として認可された薬が日本でも発売されています。
 また30年以上前、この腫瘍によって細胞診に興味を持ったことも記載されており、ぜひ読んでみて下さい。

PS:まだ続きます。
  • (2017-11-02 09:39:36)
DICの秘密 2
 今週火曜日(10/31)は診療終了後、往診をすませてから玉造へ向かいました。

 堀場製作所がペピイ動物看護専門学校でセミナーをしてくれはったからです。
 堀場さんのセミナーは、自分ところで発売している医療機械とまったく関係のない話でも、これは獣医師にとって大事やと思ったら、講師を呼んで来てくれはるのです。

 まったくもって、ありがたい話です。
 本社のある京都に足を向けて寝ることのないよう、気を付けます。

 てなことを言っておきながら、、、15分遅刻!
 
 『申し訳ございません』

切るきらない.JPG 『切る腫瘍、切らない腫瘍』」

 がんのような腫瘍ができた場合、外科手術した方がいいのか?
 それとも手術しない選択が正しいのか?
 ・・・飼主さんにとっても、獣医師にとっても、とても重要な問題です。

 講師は四国動物医療センターのセンター長である入江先生です。
 この先生は、ご自身が癌治療の経験者であり、見事に克服されました。
 僕が寝てしまわないように、所々にギャグを挟まれ、重要なお話をしてくれはりました。

がん治療.JPG なにせ、ご経験されたことですので、、、

 言葉の重みが違います。

麻酔.JPG 外科手術には全身麻酔が必要です。

 ASAとはアメリカ麻酔科学会における全身状態分類です。
 この分類によって、麻酔可能か考察するわけです。

 またDICも考慮しないといけないと口を酸っぱくして主張されておりました。
 デスイズカミング(死がやって来る)です。
 日本語では播種性血管内凝固と言いまして、2017-08-22「DICの秘密」をご覧いただければありがたいです。

 このDICが手術によって引き起こされるのです。
 この予兆に気付くようになってくださいと強く言われておりました。

PS:続きます。
  • (2017-11-02 00:48:38)
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